アマゾンKDPで25冊ほど小説をセルフ出版してみての傾向と雑感

アイキャッチ KDP

2023年も12月。いよいよ終わりが近づいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 皆様が素敵な年末を過ごされることを祈っております。

さて、最後にKindle出版関連の記事を書いたのは2022年の8月で……その時の出版小説数は6冊。

過去記事: Amazon KindleのKDPで売ってる小説の販売データまとめ 1回目

それからKindle関連ブログを書くのをサボり続けてご無沙汰してしまっていたわけだけど、出版の方は着々と続けていて今では著作が約25冊にまで増えた。

ようやく自分の作品のKindleでの売れ方の傾向が薄ぼんやりと見えてきた感じもあるので、久しぶりにブログにKindle関連記事を書いてみることにした。

2年ほどKindleでKDP出版してみての売り上げの変化

売り上げ

2022年の5月までは作品が2つだけなので、売り上げがほぼゼロなのはそういう理由。

これもそれなりに重要な情報だよね。この2冊の作品のクオリティが他に比べてそう低いわけじゃないけど、数打たないとやっぱり売れないもの。よっぽどすごい作品とか、読者様の目につきやすい何かしらの理由があれば別かもしれないけどね。
この初期の2冊も他の作品が売れ出してからはそこそこ読んでもらえているので、やっぱり数打って露出を増やすってのは一番の宣伝。

作品数は2022年の6月からほぼ月1のペースで出版を続けてきて、現在で約25冊の電子書籍を出版しているという感じのペース。全作品Kindle unlimitedに登録している。

さて本題の売り上げ。

縦軸は秘密ってことにしておくけど……自分の中で満足がいく売り上げのレベルに近づきつつあるものの、これ一本で戦っていくにはもう少し努力が必要というレベル。

ただし傾向としては悪くないと思っていて、各月のブレは大きいものの出版数が増えるにつれて売り上げはしっかり上がってきてくれている印象。23年の7月・11月が少し多めに売れてるってことを除けば、緩やかな上昇ラインに乗り続けているっていう印象。

来年もう1年出版を続けていって売り上げがこのままのペースで上がってくれれば、年末にはKindle作家一本でやってけるくらいの収入が見込めてくるんじゃないかな〜と期待している。

というわけで……来年の今頃もう一度このブログを見にきてください。その時には本当のKindle作家をお見せしましょう……

……なんてネタはさておき、もちろん作品の出来次第でこの傾向は大きく変わるのだろうけど、別にプロ作家というわけではなくても出版数を増やしていけばこのくらい売り上げも一緒に増えていくよ……というのがここで言いたかったこと。

これからKindle出版を始めてみようかな……と考えている人の参考になれば良いなあ、と思っています。

2年Kindleセルフ出版(KDP)を続けてみて重要だなと思っていること

前までのKDP関連投稿からの繰り返しもあるけど、そういうのは特に重要なことだとも思うのでもう一度書いていく。

検索ワードに強い作品を作る

近年素人作家でも文章力が高い人はたくさんいるわけだけど、Kindleで戦う上で大変になってくるのはやっぱり宣伝力。

出版社を通した書籍化作品はやっぱりこのあたりがとても強くて、○○社の作品を読んでるって固定お客さんがまず結構いるはずだし、作品の宣伝方法も色々と持っている。初期にある程度売り上げが上がればKindleランキングでも上位に入ってくるので、そっちからの流入も見込める。

素人作家で取り組みやすい宣伝方法ってのはX(旧ツイッター)を使うくらいか。私の場合1000人くらいフォロワがいて作品リンクを月30踏んでもらえるくらい。悪くないとは思うし、実際にツイッター経由で買ってくれている優しいフォロワさんも数人いてありがたい限りなのだけど……宣伝力という意味では十分とは言い難い。

それで本題に戻るんだけど、キーワードやあらすじなどに検索でうまいことヒットする単語を散りばめて出版する。なんかSEO指南みたいであれなんだけど……検索流入ある作品はじわじわと長く読んでもらえるし、作品が面白ければそこから作者読みしてもらえる可能性もある。

カテゴリ毎に人気テーマってのはある程度あるものなので、そういうお客様を呼び込めるようなキーワードをふんだんに散りばめていきたいところ……これがまた難しいんだけどね。

一応私の作品でもいくつかの作品は検索で定期的に購入していただけているような傾向もあって……そこからの流入で、他のあまり検索に強くなさそうな作品も読んでもらえていたりする。

シリーズ作品を作る

シリーズ作品を作っておくことには利点しかないと思っている。

1巻から2巻へ買い流れてくれる読者さんが思いの外多いし、Kindle Unlimitedからの読者さんであれば尚更。

それからKindleにシリーズページを作ってもらえるし、他の作者さんのシリーズページから似たようなシリーズ作品へのリンクを出してもらえる可能性だってある。

売れてくれれば売れてくるほどシリーズ作品にしておくメリットが強まる気がしている。

シリーズ化には未だ言語化できていないメリットが他にもある気がするので、何か思いついたら後でまた補足する。

数を打つ(出版数を増やす)

冒頭の繰り返しになるけど、やっぱり作品数増やしておくってのはとても重要。新作は旧作の宣伝にもなるし、入り口を増やせば増やすほど全体の売り上げは安定しやすい。特にKindleUnlimitedの読者様には作者流れしてもらいやすい傾向がある。そういう読者様がいた時に作品数が揃っていれば、お一人の読者様からでもたっぷりと既読KENPCをつけてもらえる。

それから売れるから売れないかってのがわかるにも数を打つことが必要。Xを眺めてると1作品挑戦して売れなかったこと(読まれなかったこと)を残念がっている作者さんって結構いるのだけど、1作品だけだと作品のレベルが高くても運が悪くて目につかないって可能性が捨てきれない。Kindleの場合だと10作品……できれば20作品くらい書いてみてようやく売れるか売れないかの検討がつく、ってくらいだと私は思っている。

私の場合はありがたいことに25作品程度である程度の売り上げが確保できてきているけど……50作品くらいまで売れないことも覚悟していたし、この先100作品書き連ねていく準備もできている。

2年Kindleセルフ出版して重要なのかそうでないのかまだわからないこと

表紙

昔は文字だけの表紙で出版してたんだけど、最近は結構気合いを入れてイラストと飾り文字を使った表紙を準備している。

ただ文字だけの表紙の時にも今でも人気な作品は結構売れていたし、文字表紙を絵表紙に差し替えたことによる売り上げの上昇がどの程度あったのかは謎。

全体的に見ればそれなりにはあったんじゃないかなーって気がしてるんだけど……作品数を増やすことや効果のある検索ワードを付けることほど重要ではないかもしれない。

昔の文字表紙の作品を綺麗な表紙絵に差し替えてみてもほとんど売れ行きが変わってない作品だってあるしね。

それから私のカテゴリの他の有力作者さんたちを見てみても、文字表紙だけでランキング上位の常連になってる方達も数人いるんだよね。まああの方たちは確固とした固定読者さんつかんでるっぽいから例外かもしれないけどさ。

もちろんインパクトのある綺麗な表紙が作れるに越したことはないので、余裕がある人は取り組んだ方が良いとは思う。今は色々と素人作者でも綺麗な表紙が作れるツールも揃っているしねー。セルフ出版作家にとっては良い時代になったね。

あ、もちろん、優秀で有名な絵師さんに表紙制作を依頼できるツテを持ってるような人は、そこでかなりのアドバンテージを取れるかもしれないね……これに関しては試したことがないので、私にはわかりません。

無料キャンペーン

無料キャンペーンのいいところといえばたくさん読んでもらえること。それからうまいことやればカスタマー⭐️評価で高評価を集めやすいことあたりだろうか。

一方で無料キャンペーン読んでる層とKindleUnlimited層、電子書籍購入層がどの程度かぶってるかは謎なんだよなー。

ある程度の固定読者さんが付いてくると序盤のマイナーカテゴリのランキング入りは購入・購読だけで達成できるし、無料キャンペーンをやる効果がどの程度あるのかは予測しにくい。

もう少し作品数が増えてきたら大きめのシリーズ作品の1作品目だけを無料……とかやってみようかなとは思っているんだけど、やるとしたら2025年かな。来年はまだひたすらに作品を増やしていく段階。

無料じゃなくて割引キャンペーンがあるといいんだけどね……Xでアンケートとってみたら安ければ買うって人はそれなりにいたから。今のシステムだと値段をわざわざ変えて再出版しないと割引できないから……そこまでするのはちょっと面倒に感じてしまうのだよね。

Kindleのセルフ出版(KDP)に関しての雑感

Kindle出版の良いところは全部自己完結できるところ。

ある程度実力があれば投稿サイトから書籍化を狙うってのも悪くはないと思う。一冊紙書籍での書籍化のお話がくればたとえ重版無しの6−7%程(一般的には8−10%程度?)の印税率でも結構な収入が稼げるはず。電子書籍の買い切りだと10万くらいのことが多いって聞くけど、電書でセルフ出版で1冊10万稼ぐのってそんなに簡単じゃないしね。

ただ、コミュ障勢としては書籍化作業ってのも結構大変なんだよね。今年もX(旧ツイッター)あたりで荒れてた件もあったけどさ、良い出版社・良い編集さんが引けるかどうかのところで勝負決まっちゃう場合もあるよね。例のあれは作者さんが表に出てきてたからよく目立ってたけどさ、他の作者勢も色々と似たような愚痴的裏話をこぼしてたから……あれだけが業界での例外だったってわけじゃなさそう。

コミュ力マックス勢は先輩作家さんたちと交流してみたり他の編集さんに話繋いでみたり……上手くやっちゃうんだろうけど、そういうことができる作者さんってそんなに多くない印象。私の印象でしかないけど、本書いてる人たちって良くも悪くも真面目な人が多い気がするんだよね。それから出版社から声かけられて書籍化って話だと、どうしても作者側がかなり下の立場ってイメージになってしまうところもある。

その点Kindleのセルフ出版は全部自分の思う通りに作品を作れるし、出版までのスケジュールを刻むこともできる。自分で表紙依頼とか推敲依頼とかするにしても、それはあくまで自分のコントロール下でやること。

その分全ての作業を自分でやらないといけないし、売れない責任の全ては自分にあるってことになるけどね。ま、作品の準備・作品の執筆・作品の校正・表紙作り・電子書籍の出版手続……このあたりが全部自分でできて苦にならない人はKindle出版には向いているのかもしれないね。

それから小説書くところの才能でも多少Kindleの向き不向きはあるかな。

一つは5〜10万字くらいの作品を手元で仕上げられる才能。投稿サイトに毎日投稿してるとあっという間に10万字とか超えるんだけどさ、読者さんにオープンにすることなく手元で書いてるとこれが全く増えない感じがあるんだよね。この手元で仕上げる感覚が合わない人は、Kindle書籍を準備するのが結構大変かもしれない。

それから作品の質。私は70点の作品なら1000作品でも書けると思ってるタイプなんだけど、一方で一発で90点の作品を仕上げるのは難しいかなとも思っていたりする。一発で100点の作品が作れるような作者さんは……まあどこで出してもいいんだ。ある程度ランキングのコツを掴んだ上で投稿サイトに投げれば書籍化のお話が来るかもしれないし、ノベルピアとかカクヨムとかでPV型の集金を狙いにいってもいい。Kindleに行ったって、人目につかせる宣伝方法さえ持ってるなら成功するかもしれないしね。

私みたいな一発の威力はまあまあだけど数ならば誰よりも打てるぜ……って同志にはKindleはおすすめできるかもしれない。1作品で露出して売れるってのは難しいけど、25作品ほど書いた今となってはぼちぼち良い感じに売れてきてる作品も出てきている。たぶんあと50作品も書くうちには収入も安定していくんじゃないかなー……なんて楽観的な予測をしている。

Xで他の作者さんたちを眺めてると、Kindle出版を選ぶ人ってそう多くない感じ。投稿サイトやPV集金系とはまた違った雰囲気もあるので、一度5万字くらいの作品で試してみたらどうかなー……なんて思いながら、他の作者さんたちのポストをこっそり眺めてたりする今日この頃です。

 

さて、2023年のKindle関連のブログ記事はこれでおしまい。皆様が良い年末を過ごされ、良い2024年を迎えられることを祈っております。

No.PD

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