【今日の日付と呼んだ範囲】2022年8月13日、全123話読了
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【タイトル】 少年Z
【作者】 髙田野人 先生
【作品情報】 約49万字、完結済み
【作品スタイル】 3人称ぽい書き方もあるけど基本は男性1人称かな。つぶやき多めで。
【高評価ポイント】
計算されたゾンビ対策設定 ★★★★★
全キャラを彩る濃い設定 ★★★★★
最後までリズム良く流れるストーリー ★★★★★
【一行感想】 設定もりもりの壮大なゾンビもの。恋愛パート含めキャラがいいよ!
【感想】
ゾンビものがもはやテンプレと化して久しいわけだけど、それでもこう突き抜けてる作品ってのはあるよね。
あれ、この作品50万字しかなかったの? ってのが読み終わって文字数見直して思ったこと。いや普通に100万字越えの作品読んだ後の読後感を感じてたよ。良い意味で他の50万字の作品よりもずっと読むのに時間がかかったと思う、じっくりと読み込める作品。
ゾンビテンプレってところから話を始めると、私が重要だなって思ってるのはゾンビの群れの間を抜けることのできる主人公の何かしらの能力・点在するセーフティーゾーンの中での人間の醜悪さと美しさ・そんなセーフティーゾーンを移動しながらの大きなストーリーの流れ。
こんなところをしっかりと書けてる作品ってのは、ゾンビに襲われる緊張感と、生き残ってる人間との関係性ってあたりで20万字くらい一気に楽しめてしまうもの。
一方で20万字を超えてえきたあたりからちょっと食傷気味になりやすいってのもゾンビテンプレものだと思う。ゾンビを抜ける能力をチート系にしちゃうと結構すぐに緊張感がなくなるものだし、考えてゾンビを抜けるものは作者のアイディアがどこまで持つかってのも難しいところ。
人間の関係性って話で間を持たせるのはありなんだけど、これをやりすぎると出てくるのが性格悪いキャラだらけになってそれをゾンビや主人公が壊滅してみたいなダークストーリーになって、それはそれで話が重たくなってしまったりする。
その点で最後の大きなストーリーの流れってのも重要になってくるのだけど……
ってところで、ゾンビテンプレからこの少年Zに話を戻す。もちろんこの作品は50万字読んでもまだ読みたい方の作品。なんでかなーってところは色々とあると思うのだけど……
まずは主人公の少年の特異性が面白い。チート能力ものじゃないから、主人公の精神性やら知識やらってあたりがゾンビとやりとりするための鍵ってところになるんだろうけど、そこの設定と描写がとても良い感じ。良い意味でちょっと前の小説キャラ臭がする……ってこの作品2016年か。
それから敵役キャラの描写とそれへの対応ってのも色々で面白い。このあたり能力を見せつけるって感じの作品だと、俺つえー!悪役キャラへの勧善懲悪ー!って感じでパターン化しちゃったりもするけれど、一つ一つのキャラと異なったストーリーがしっかり描かれていて、最後まで胃もたれすることなく楽しむことができた。
少しずつゾンビと人間を取り巻く状況が変わりつつの全体のストーリーの流れも綺麗なもので、どこかで話がだれたりはせずに、最後までお話を楽しみきることができた。
擬ハーレムっぽいライトな恋愛描写も、お話を彩る良いスパイス。最後のところは好き嫌いあるかなって気もするけれど、とまれ恋愛描写にしたってやっぱりキャラが良いと生きるんだよな。
あー、少しまとまりがなくなってしまったけど、まとめるならば話は単純。とても良い作品だったので一読おすすめ。
なんていうか昔図書館でハードカバーのSF上・中・下本を一気読みしたときの感覚だったのかな。なろうってぽーんっとこういうお話が埋まってるからいいんだよね。最近自分でスコップする元気まではなくなっちゃったけど、ジャンル別ランクで50−100位あたりなら結構上がってきてるんだよね〜。
–No.PD.
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